基礎レッスン1.基本

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

基礎レッスン1.はじめに

まずは基本を頭に入れていきましょう。

基礎レッスン1では、タロットの歴史やタロット占いの成り立ちについて解説していきます。

個人鑑定でもよく質問されるカードのお手入れ方法や、処分の仕方もご紹介します。

タロット占いに興味を持っていただいた方のために、私の頭の中にある知識をアウトプットする場として内容の濃いものにしていければと思います。

諸説ある中での個人的な見解も含まれますので、温かい目でお読み頂ければ幸いです。

 

YouTube・朗読

文字がいっぱいあって眠くなるという方のために(笑)私がこちらのページを朗読してみました( ;∀;)わがままガールめっ。前髪にスコーンの破片が乗ってるのはお気になさらないで。

アナウンサーでは無いのでカミカミですがご容赦くださいませ(*_ _)


▮タロット占いとは?

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

日本の占いは、偶然性を利用する「ト術(ぼくじゅつ)」、生年月日から運勢を導き出す「命術(めいじゅつ)」、手相や家相など形あるものから占う「相術(そうじゅつ)」の3つの占術に大きく分類されます。タロット占いはその内の「ト術」になります。

タロットカードは「大アルカナ」と呼ばれる絵札が22枚、「小アルカナ」と呼ばれる数札が56枚、全部で78枚あります。その一枚一枚に特別な意味やメッセージが込められています。カードの絵柄は美しく世界中にコレクターが存在しますし、数多ある占術の中でも高い人気を誇ります。そして大アルカナと小アルカナがセットになったものを「デッキ」、展開したカードの意味を読み取る作業を「リーディング」と呼びます。気づきを与え悩みを解決するためのツールとして広く認知されています。

▮タロットの歴史

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

現存するタロットカードの最古のものは、15世紀に北イタリアで作成された「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」です。当時は、貴族が画家に手書きで作成させていました。観賞用という説が有力です。

16世紀になるとヨーロッパの庶民の間で大流行し、もっぱらギャンブルカードとして使われていました。

今のタロット占いを確立したのは18世紀。フランス革命前後に活躍していた占い師のエッティラがタロットを神秘的なものと位置付け、1783年に『タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ方法』を出版しました。エッティラは初めてタロット占いに逆位置を採用し、絵柄やカードの順番も大幅に変更しています。占星術と組み合わせたのも、小アルカナの4つのスートに四大元素を結びつけたのもこのお方。現代におけるタロット占いの開祖とも言えます。


▮マルセイユ版とウェイト版

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

17世紀フランス最古の都市マルセイユで大流行したのが「マルセイユ版」。ゲームとして用いられていたタロットカードでしたが、占い師エッティラにより占いにも用いられるようになりました。

20世紀初頭、イギリスの魔術結社「黄金の夜明け団」に所属していたアーサー・E・ウェイト博士による研究をもとに「ウェイト版(ライダー版ともいう)」が誕生。小アルカナに絵柄を加えたり8番(力)と11番(正義)を入れ替えたのは有名なお話し。この系統に「トートタロット」もあります。

この「マルセイユ版」と「ウェイト版」が、二大分派として代表的なものとなっています。

▮絵札と数字

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

カードには絵と数字が描かれていますが、説明文などは書かれておらずタイトルのみが添えられています。恋人、運命の輪、死神、世界など、アニメや小説の題材にもなるタロットカードたち。一枚一枚が意味を持ち、何通りもの解釈が生まれ、まるで謎解きのように答えを導き出していきます。

様々な質問に柔軟に対応できるタロットカードは、占い師エッティラの手で占星術と結び付けられます。エッティラは大アルカナから3枚を除く19枚に、7惑星と12星座を関連付けました。カードに描かれている数字、月や太陽、星座のモチーフ、それらを網羅できれば更に細密な鑑定が可能になります。 


▮タロットができること

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

タロット占いの最大の特徴は、生年月日や本名などの詳しい情報がわからなくても占えるということ。

「人の感情や潜在意識に潜り込む」のを得意としますので、恋愛や人間関係が一番占いやすく的中率も格段に上がります。

私自身は、タロットカードは人間のエゴが詰め込まれたエゴイズムの象徴だと思っています。自分勝手なイメージがあるエゴですが、私は「エゴ=自我」と解釈し「当たり前にある人間の感情や思想」と捉えているので、あまりマイナスなイメージがありません。タロット占いは、その当たり前にある共通認識を映し出し気づきを与え、その時その人に必要なメッセージを導き出して提示してくれます。

▮タロットができないこと

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

タロット占いは、「人の感情や潜在意識に潜り込む」占術なので、物質的な物事は占えません。宝くじの数字や病気、命術が得意とする一生分の運勢もタロット占いでは見ることが出来ません。

そして移り変わる人の感情は固定されたものではないので、一年後のあの人の気持ちは?というお題も苦手です。よくタロットカードは3か月が的中率が高いとされていますが、それも人間の感情の移り変わりが大きく関係しています。何もしないまま過ごせば1年後も見渡せるかもしれないけど、私は鑑定後にお客様の意識や行動が変わると思っているので、未来は未知数なものと考えています。私の個人鑑定でも、3カ月くらいを目安に占っています。


▮占いが当たる人

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

私が思うタロット占いが当たる人は、邪心が無く私欲に走らず、なおかつ素直な人。

タロット占いはタロットが出した結果を素直に受け取って、そのままお伝えすることが最低条件です。お客様の言われたい事を予想して当てにいくような行為は、ある意味欲の強いお客様には「当たる」と言われるのかもしれません。しかし、お客様が望まない結果だとしても、映し出された結果を「そのまま伝える」という役割が占い師には課せられています。たとえお客様が現実逃避から「当たらない」と発言されても、そう思いたいという願望がその発言の裏にはあるかもしれません。お客様の評価に左右されず、鑑定の中でタロットが出した結果を伝える事しか本来はできないのです。もちろんアドバイスも大切ですし、回避する方法なども併せて占っていければお客様にとって有益な鑑定になるはずです。

▮占いが当たらない人

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

私が思うタロット占いが当たらない人は、自分の価値を過大評価している人。

私はあくまで占いはダークサイドのものと位置付けています。それは、占いは人々をサポートするものであり、あくまで主役はお客様だと思っているから。完全に裏稼業です。「自分をよく見せたい」「称賛を浴びたい」など承認欲求や自己顕示欲が強い人は、占い師になってもタロットの声が聞こえなくなってしまいます。そんな結果じゃ困るのよって伝えるべきことを伝えなくなっていく。結果は後からついてくるもの。その場しのぎの結果を伝えて称賛を得ても、お客様にとっては不利益な鑑定となります。

アゲ鑑定を主軸に活動している方は、タロット占い師と名乗るのであれば、もう一度きちんとタロットと向き合ってほしいなって思います。


▮準備するもの

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

まずはタロットカードを用意しましょう。絵柄はわかりやすいものが良いです。初心者用の基本的な絵柄であれば、メーカーは問いません。

◇おすすめ✣タロット(初心者)

カードを傷めないためにテーブルクロスを敷くのが一般的ですが無くても大丈夫。

私はポケットサイズのカードを持ち歩いて、お酒の席などでも直ぐに占えるようにしていました。気を付けていたのは、占う前に必ず手を洗うくらいかな。

天然石を置いたりセージを焚いたり、占い師の好みでいろいろ工夫されているけど、基本的にはカードさえあればどこでも気軽に占えます。

ちなみに私は、個人鑑定の占い始めに必ずセージを焚きます。気持ちをリセットする意味合いが強く、お客様お一人お一人にこの作業をしています。

▮カードのお手入れ方法

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】占いの基本

お手入れ方法に決まりはありません。使い終わったら箱にしまって保管している方もいれば、私のように毎日触る方はテーブルに出しっぱなしでも大丈夫です。

そして私の場合、浄化だけは気を付けています。カップの中にセージを焚いて、その煙にカードをくぐらせています。タイミングとしては一週間に一度くらい。気づいた時が多いけど、なんだか今日は上手く読み取れなかったなって時も浄化しています。

使い古して傷んできたカードは、人に譲る場合もあるしお正月のお焚き上げに持って行ったりもしています。ゴミ箱にポイでも構いませんが、その時は「今までありがとう」と感謝を伝えてからさよならしてください。私が現在使っているイルミナティ君はかれこれ5代目です。これからも長く愛用したいので、絶版になりませんように。


▮大アルカナと小アルカナ

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

現在もっとも主流となるのが、22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」からなる78枚のタロットデッキ。「アルカナ」はラテン語で「秘密」「神秘」などを意味する「arcanum」の複数形です。

「大アルカナ」は恋人や死神など、特徴的な絵柄が多く強いメッセージが込められています。「小アルカナ」は4つのスート(カップ、ワンド、ソード、ペンタクル)に分かれており、1〜9までの数字と各スートに存在するペイジ、ナイト、クイーン、キングの16枚のコートカード(人物カード)で構成されています。

基礎レッスン3では、これらカードの解釈を個人的な見解も含めて解説していく予定です。カードの意味も統一されておらず、占い師によって様々な見解がありますので参考程度にご覧いただけたら幸いです。

▮正位置と逆位置

タロット占い師一宮ゆり【タロット基礎Lesson】

◆タロットの歴史で、18世紀に占い師エッティラによって「逆位置」が採用されたとお話ししました。

それまで鑑賞やゲームとして用いられることが多かったタロットカードには、逆位置の発想は無かったんです。

タロット占いは引いたときの向きによって、占いの判断も変わっていきます。絵柄が正しい向きだった場合は「正位置」、上下が逆になっていた場合を「逆位置」と呼びます。占い師さんによっては逆位置をとらない方もいらっしゃいますが、私の場合は幼い頃から慣れてしまったので逆位置も採用しています。

逆位置の解釈も人それぞれなので、まずは一枚一枚の大筋の意味を理解してから、正逆の解釈を考察していくことをお勧めします。


レッスン1.まとめ

いかがだったでしょうか?

ギャンブルカードとして使われていたと聞いて、驚いた方も多いのではないでしょうか。

しっかりその成り立ちを把握することで、タロットに対する怖いイメージなんかもなくなるんじゃないかな。

誰もが気軽に占えるタロットカード。

デッキをせっかく購入しても、早い段階で諦めてしまった方もいらっしゃるはず。

もう一度押し入れから引っ張り出して、カードたちと遊んでみませんか?(*^^*)

一宮ゆり❘タロット占い❘SEEKSTYLE❘TOP